お知らせ

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2019.03.26

ベンチャーサミット、地方創生を議論(熱意ある地方創生ベンチャー連合とスタートアップ都市推進協議会)

ベンチャーサミット、地方創生を議論(熱意ある地方創生ベンチャー連合とスタートアップ都市推進協議会)

英字新聞であるThe Japan Timesが、日本から世界に発信していく「Satoyama」。
2018年1月よりThe Japan Timesにて連載を開始しております。(隔週の月曜日掲載)
コラム名は「satoyama consortium in focus」。
記事はThe Japan Times Onlineにもアーカイブされ、全世界に日本の里山での活動を発信しております。

URL:https://www.japantimes.co.jp/consortium/satoyama/

※今回は、2019年3月11日より「satoyama consortium in focus」のウェブサイトに掲載した記事の和訳を紹介いたします。

タイトル:ベンチャーサミット、地方創生を議論

国、自治体、民間の垣根を超え、講演やディスカッションを通じて地方創生の促進を図ることを目的に、第4回地方創生ベンチャーサミットが2月3日、東京で開催された。

直ちにチケットが完売となった「ローカルテック(地域×テクノロジー)の可能性」を全体テーマとした本イベントは、熱意ある地方創生ベンチャー連合とスタートアップ都市推進協議会の共催で実施された。ジャパンタイムズはメディアパートナーとして参加した。

基調講演では、地方創生担当大臣である片山さつき氏が、地方創生についての大胆なアイデアを語った。東京圏への人口集中が増加の一途をたどり、昨年は転入者の数が135,600人増となったことに触れ、上京して東京の大学に進学すると地元に帰らない人が多いとみられることを指摘した。

片山氏は、減税や地方の大学への支援、交付金の確保、インキュベーション、スタートアップ支援として東京23区の在住・在職者が地方で起業した場合の支援事業といった施策について語った。こうした点は安倍晋三首相の施政方針演説と軌を一にするもので、日本経済の再生には地方創生が必須ということだ。

さらに片山氏は、第四次産業革命を体現する、新しい「スーパーシティ」を作ることに着手しており、ここでは自動走行、キャッシュレス化、遠隔投薬、行政手続きのデジタルでのワンスオンリーなどを人工知能(AI)やビッグデータ分析の活用で、都市への実装を目指している。

国家戦略特区では画期的な変化が起こり、そこでは電力、安全、交通などさまざまなことがコントロールされる。片山氏によれば、スーパーシティ実現のためには、規制改革と住民の同意および参画が不可欠だという。

続く全体セッション「テクノロジーは地域をどのように変えていくのか」では、三人のスピーカーの一人である LIFULL の代表取締役社長兼 CEO である井上高志氏が、まず片山氏のスーパーシティ構想への関心について述べた。

片山氏の話の中では同構想は国家戦略特区の中でということだったが、井上氏は、住民が全くいないような土地でスーパーシティを作るという希望を述べた。例えば、国有林のようなところであれば、最先端のテクノロジーを使ったさまざまな実験がしやすくなる。

井上氏の手掛けるビジネスの中に Living Anywhere というものがあるが、これはオフグリッド社会の構築を念頭に置いている。インフラがなくても、水や電気を作るテクノロジーはすでに存在していると井上氏は述べた。

テクノロジーの進化により、テレワーク、遠隔医療、遠隔教育、仮想現実(VR)、AI、そして再生可能エネルギーによって、人は離れた場所に住み、働くことができるようになった。「この間、Living Anywhere の会津の物件に1週間行っていて、主に仕事をしていたのですが、ちょっと1時間くらい休憩して、パウダースノーでスキーを楽しむことができました」と井上氏は語った。

スピーカーの一人、衆議院議員の小林史明氏は、官と民の付き合い方や関係性の大切さについて話した。片山氏のスーパーシティ構想や移住への補助金の話においても、地域課題の解決には官と民の連携、一緒にやるという姿勢が大事だと語った。

小林氏は、予算ありきで考えるのではなく、「何の課題を解決して、どういう社会を作りたいんですか?」という点を意識すべきだと述べた。

「私は裏磐梯スキー場で学生のときに、スノーボードのインストラクターをやっていて、家を借りていました。この経験は得難く、とても意味がありました」と小林氏は述べた。そして、「やはり、ローカルに突っ込んでいって、初めて見える景色があります。東京の真ん中で、ローカルベンチャーと言っても分かりません」と話した。

小林氏によれば、地域の問題は実際そこに行ってみて、初めて見えてくるものがあり、またそれはビジネスチャンスになり得るかもしれない。行政はプラットフォーマーになっていき、政治家は場の中に入って、人をうまくつなげるコーディネーターにならなくてはいけないと、小林氏は話した。

もう一人のスピーカーで、『福岡市を経営する』という本を執筆した福岡市長の高島宗一郎氏は、あらゆるインフラをつなげて、スーパースマートシティを作ることを目指している。

高島氏は、これまでに国にもこうした話をしてきたが、これを実現する際に地域で大事になってくるものは何かというと、住民に納得してもらうことだという。

「地域の公民館に来る人たちに先ほどの片山大臣のプレゼンをそのまましたところで、あまりにも分からない言葉で、『AI』や『オンデマンド』など、何が生まれるのかが分からないので、言葉を翻訳して、何がよくなるのか説明するのが大事です」と、高島氏は語った。

さらに高島氏は、福岡市で行っている実証実験フルサポートについて触れ、地域の課題を解決するための実証実験、その商品やサービスを持ってくるのに福岡で一番適した地域はどこか、セレクトするという事業を実施していると語った。行政が一緒になり、この地域の中に入っていき、地域の人たちにどのようなメリットがあるか説明し、その場の提供をすることで、地域の人たちの反応が全く違ったりすると述べた。

熱意ある地方創生ベンチャー連合の事務局長であり、Glocal Government Relationz の代表取締役である吉田雄人氏はこの全体セッションのモデレーターを務めたが、こうした意見に同意した。吉田氏は、「官民連携のキーワードとして国と地方行政、また地方行政と地域住民、これの通訳や内容の説明が必要です」と話した。

スマートシティの利点を地域の人たちに説明し、その中身をきちんと伝えることはとても大事だ。吉田氏は、自身の会社の名前に入れているように、地方創生の課題を解決していくためには、まさに “government relations” (GR: Government Relations)の要素がとても必要だと思うと述べた。

原文はこちら(英文)
https://www.japantimes.co.jp/satoyama-consortium/2019/03/11/satoyama-consortium/summit-highlights-regional-revitalization/#.XJGPy6D7RPY

熱意ある地方創生ベンチャー連合
https://netsui.or.jp/

スタートアップ都市推進協議会
https://startup-toshi.com/

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