連載記事

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2020.03.09

各種イベントで環境意識を向上(むつ市)

各種イベントで環境意識を向上(むつ市)

英字新聞であるThe Japan Timesが、日本から世界に発信していく「Satoyama」。
2018年1月よりThe Japan Timesにて連載を開始しております。(隔週の月曜日掲載)
コラム名は「satoyama consortium in focus」。
記事はThe Japan Times Onlineにもアーカイブされ、全世界に日本の里山での活動を発信しております。

URL:https://www.japantimes.co.jp/consortium/satoyama/

※今回は、2020年2月17日付のThe Japan Timesに掲載した記事の和訳を紹介いたします。

タイトル:各種イベントで環境意識を向上

本州最北端・青森県の下北半島に位置し、人口約5万7,000人のむつ市は、住民と訪問者の双方に魅力的な町であり続けるためにたゆまぬ努力を続けている。

むつ市の宮下宗一郎市長は、里山と里海の既存資源の有効活用促進のために予定されている今後のプロジェクトやイベントについて話をしてくれた。里山・里海とは、近隣住民によって大切に維持されている森林や沿岸地域を指す言葉だ。

むつ市の臨海部では、イルカウォッチングツアーが5月9日から6月21日まで開催される。例年この時期は、野生のカマイルカの群れが陸奥湾に回遊してくる。

「このイベントはカマイルカについての知識を深めると同時に、イルカやより大型の海洋生物の餌となる小魚を育む陸奥湾海域の栄養豊富な海水の自然循環を学ぶ絶好の機会です」と、宮下市長はインタビューで話した。
イベント期間中は、イルカウォッチングツアー用の観光船が1日2便運航され、脇野沢港を午前9時と11時に出港する。料金は大人1名1,830円、子ども1名910円だ。

自然循環に対する意識向上のためのイベントは、市の森林地域でも予定されている。その一つが、陸奥湾でホタテ養殖に携わる漁師たちが毎年主催している「漁師の森植樹祭」だ。

この植樹祭では、広葉樹木のナラとブナを250本ずつ植える。秋になると、こうした広葉樹の葉が落ち、 肥沃な腐葉土を作る。冬になると、腐葉土の上で解けた雪が地下水脈に染み込み、河川、そして最終的には海へと流れ込む。植樹祭はイルカウォッチングに先行し、4月23日に行われる予定だ。

植樹祭には近隣小学校の児童たちも参加する。

「子どもたちを啓蒙し、さまざまな世代にわたってこういった活動が続くようにすることが重要です」と、宮下市長は語った。

別の年次イベントとして、若者の参加に重点を置き、地元地域の価値を学ぶ子どもたちを支援する行事が、下北ジオパークで開催される。

「下北ジオパーク学習・活動発表会」はそのタイトルどおり、下北地域の教育活動報告会であり、ここでは地元の小・中・高の生徒および一般団体がさまざまな学習活動を通じて実施する地域の自然や産業と関連した教育活動について、プレゼンテーションを行う。むつ市は地域振興と天然資源活用への意識向上を目的として、これらの8から10の団体に助成金を支給している。

地元の若年層だけでなく、むつ市は5月にシンガポール国立大学の学生と、新規連携事業を開始する予定だ。

「日本はリーンスタートアップやアーリーアダプターという概念に欠けています。シンガポールには、里山や里海など天然資源や恵みを与えてくれる環境といったものがありません。私たちは欠けているものを補い合い、より大きな力を生み出すことができるのです」と、宮下市長は話した。

市長は学生たちのフレッシュな視点を通し、むつ市の新たな価値が見つかることを期待している。

「むつ市でのリサーチや実地体験を基に、学生たちは海産物など当市の地域資源を紹介、マーケティング、そして販路拡大させる方法を示す事業モデルを築いてくれることでしょう」と、宮下市長は述べた。

さらに市長は、この連携事業が地域にもたらし得る別の利益について触れた。

「むつ市には大学がありません。当市に大学生のコミュニティができれば、地域住民にとっても全く新しい経験になります」と、市長は話した。そして、「むつ市にやってくる学生と地元民の間の文化・ライフスタイル交流を通じて、新たな価値が生まれることを願っています」と続けた。

釜臥山から望む夜景が魅力的な形をしていることでも知られるむつ市では、10月2日に「日本夜景サミット」も開かれる。
「(その形は)アゲハチョウのように見えるんです。他にはないこの夜景の造形には、森林と海岸の天然の境界線も一役買っています」と、宮下氏は話した。

むつ市の夜景と海と山々が織り成す豊かな自然が、夜景サミット来訪者と観光客を歓迎してくれることだろう。
さらにむつ市は、10月に里山をテーマにした2日間にわたるイベントを計画している。ジャパンタイムズとの共催となるこのイベントは、シンポジウムやセミナー、そして地域住民が天然資源の有効活用に取り組んでいる市内各所の視察ツアーで構成される予定だ。

原文はこちら(英文)
https://www.japantimes.co.jp/satoyama-consortium/2020/02/16/satoyama-consortium/city-events-raise-environmental-awareness/#.XmIWGWj7RPY

(ご紹介したむつ市は当コンソーシアムの会員団体として参画いただいております。)

むつ市(外部サイトへ)
https://www.city.mutsu.lg.jp/

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