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2020.05.12

茨城の団体、文化体験のワークショップを提供(つくば市)

茨城の団体、文化体験のワークショップを提供(つくば市)

糸紡ぎ、伝統的な飾りの手作りや野草の採取と調理など、筑波山麓グリーンツーリズム推進協議会が企画している活動は多岐にわたる。この協議会は、茨城県つくば市の15の団体や個人で構成されている。

2011年に始動したときには小さなグループだったが、その後成長を続け、地域住民や訪問者たちに地元の特産品や文化を広める役割を果たしている。

「この団体のおもしろいところは、設立当初から、自治体に頼らずに100%民間で運営されているところです」と会長の榎田智司さんは言う。

16年前に、地域の情報や活動内容を掲載した地域情報紙「すそみろく」の発行を始めた数人の地元住人と移住者たちのグループがこの協議会の前身だ。

1号目の情報紙は、東京の秋葉原駅とつくば駅をつなぐ、つくばエクスプレスの開通直後に発行された。

「発足当初からこのグループを率いていた2人がいずれも他の地方から移住してこられたというのは特筆すべきことです。彼らは私達のふるさとで、広めたり、保存したいと思うような魅力を見つけてくれました」と榎田さん。

協議会の会員の年齢は30代から60代以上で、会員の中には榎田さん自身のようにもともとこの地域の出身で、別の地域で暮らしたり働いたりした後、またここに戻ってきた人も含まれる。

地域の情報だけでなく、イベントを実施したり人が集まったりすることができる場所も提供するため、副会長の一人が所有する土地に、伝統的な茅葺屋根の小屋を移築した。「中には昔ながらのいろりがあって畳が敷かれていて、利用者は昔ののどかな雰囲気を楽しめます」と榎田さんは言う。

筑波山麓わた部はこの小屋で活動を行なっているグループのひとつだ。自分たちで育てた綿を使って糸紡ぎや染め、織り、針仕事などのワークショップを実施している。

藁の綱やその他の装飾品で出来た新年の飾り、しめ縄を作るワークショップも毎年年末に行なわれている。しめ縄の製作に使われる藁は、この地域にある専用の田んぼで作られている。

しめ縄用の田んぼの田植えは他の田んぼと同じ時期に行なわれるが、稲は穂がつく前に刈り取られ、ワークショップに間に合うよう乾燥させられる。

協議会は昨年10月、茅葺き屋根の小屋とその周辺で防災訓練を実施した。地元の人を対象に、ロープワークや土嚢の作り方、野外での調理などを教えるイベントだ。

この地域では、過去に土砂災害による被害が広範囲で発生していた。「都会では物資の不足やライフラインの寸断が災害時における最大の懸念でしょうけれども、この地域には水や薪があります」と榎田さんは言う。「でも、もっと別のことから身を守らないといけないので、この地域の住民に合った訓練を計画したのです。」

この協議会は、ユニークなイベントを共同で企画する場としての機能も果たしている。次に計画しているイベントでは、参加者が山歩きをして野草を集め、天ぷらを作る予定だ。調理の部分は、食育の専門家を招いて教えてもらう予定だ。「この地域にあるBee’s Knees Vineyardsというワイナリーも協議会のメンバーなのですが、このイベントではワインを提供してくれることになっているので、参加者は天ぷらといっしょにワインも楽しめます」と榎田さんは話した。

現在の社会情勢による難しさに直面しても、協議会は、その活動の根底にある柔軟性とぬくもりを忘れていない。「もちろん、コロナウイルスの問題がある現状、予定通りにイベントが実施できるかどうかはまだわかりません。しかし、もし規模を縮小したり、外部からの参加者を募集せずに内輪で実施することになっても、少なくとも我々自身は楽しめるものにできればと思っています」と榎田さんは語った。

本記事は、The Japan Times 本紙に掲載された英文記事の和訳です。
原文はこちら(英文)
https://www.japantimes.co.jp/satoyama-consortium/2020/03/23/satoyama-consortium/ibaraki-group-offers-cultural-workshops/#.XrpflGj7RPY

(つくば市は当コンソーシアムの会員団体として参画いただいております。)

つくば市(外部サイトへ)
https://www.city.tsukuba.lg.jp/

筑波山麓グリーンツーリズム推進協議会(外部サイトへ)
http://www.tsukuba-gt.sakura.ne.jp/

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