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2021.03.11

「住民による活性化プロジェクトが根づきゆく、つくばの街」(つくば市)

「住民による活性化プロジェクトが根づきゆく、つくばの街」(つくば市)

つくば市の小田地区では、地域を活性化するプロジェクトに市民が参画し始めている。「地域のお祭りを手がけたり、小さなプロジェクトを起こしたりする若者の小さなグループはもともとたくさんあったので、これらをまとめてみんなでやるといいのではと思ったのです」と小田地域まちづくり振興会の会長の鈴木真人氏はジャパンタイムズSatoyama推進コンソーシアムによる取材の中で語った。

里山とは、持続可能な資源活用により維持されている都市と山林の間に位置する地域を指しており、茨城県つくば市の周辺市街地のひとつである小田はまさに里山と呼べる地域だ。

これらの周辺市街地では様々な活性化プロジェクトが進行中だが、つくば市では、過去2年間にわたり、「つくばR8地域活性化プランコンペティション」が行われてきた。令和2年度のコンペティションの最終選考は、オンラインで開催され、昨年よりも多くの住民が観客として参加し、27のプロジェクトの中から5つのプロジェクトが選ばれた。

昨年は、鈴木氏の団体も令和元年度このコンペティションに入賞し、地域住民と共に、小田地区の空き地に、地面いっぱいに広がって鮮やかなピンクの花を咲かせる芝桜を植えるプロジェクトに市からの支援金が贈られた。

2019年10月には、学校で配布されたチラシを見た人や、自治体の広報誌を読んだ人などが植栽地に集まり苗を植えた。「今年4月には、植えてから初めての花が咲きました。芝桜が育ってこのエリア全体を埋め尽くすまでにはまだ何年かかかります」と鈴木氏は述べ、地域住民は定期的に集まっては除草や手入れなどを継続して行っており、世代を超えたつながりを深めていると話した。

小田地域まちづくり振興会は、この芝桜エリアを徐々に拡大し、将来的には観光スポットにしていきたいとしている。「芝桜はきれいなだけではなく、根がすみずみまで広がることで地面を支え、土壌の侵食を防いでいるのです」と鈴木氏は述べた。

また、つくば市では地域の活性化を進めるための機会のひとつとして、各地区の住民を対象に、まちづくり勉強会も実施している。市の職員によると、この勉強会を通じて、住民たちは自身が住んでいる地区の特徴や資源、可能性を洗い出すことができ、これが地域のマップや飲食店情報を掲載した広報誌の作成、地域資源を活用したイベントの企画、地域の中核となる場づくりなど、地域振興の新しいアイデアの発想や実行につながっているという。

この勉強会で話し合われたことをもとに、地域住民の間から、廃校になった小田小学校の校舎をコミュニティプラザとして活用してはどうかという案が生まれた。筑波山塊の一部を成す宝篋山と、広々とした景色を楽しめるつくば霞ヶ浦りんりんロードというサイクリングコースのちょうど真ん中に位置するこの校舎は、地域住民だけでなく、トレッキングやサイクリングに来る人たちにとっても最高の場所だ。

「今ちょうど、実際にこのコースを走ってみることで、サイクリングに訪れる人にとってどういうものが必要かを学んでいるところです」と鈴木氏。また、スタッフやサポーターが竹でサイクルスタンドを手作りしたという。「30人以上のサポーターがいて、様々な活動の手助けをしてくれています」と鈴木氏は言う。市も、校舎の一部を改修して提供するという形でこのプロジェクトを支援している。

このコミュニティプラザは、子供達の放課後の活動の場でもある。「この学校が廃校になってから、この地域の子供達は遠くの学校までバスで通わなければならなくなったので、家に帰ってきてから近所の友達と遊べる場所が必要になったのです」と鈴木氏は言う。

文化活動やスポーツなどに施設を利用する際の利用料以外にも資金源を確保するため、新型コロナウイルス感染症の流行により一時中断していた、地元の米やたまねぎなどを使った土産物の製造を再開する予定だ。

「このプラザは地域内外の人をつなぐ役割を果たしています。小田にもっとたくさんの人が訪れ、地域の人とふれあうことでその魅力を体験してもらえたらと思っています」と鈴木氏は語った。

(この記事は英字新聞The Japan Timesの2021年2月8日付の和訳となります。)
原文:Citizen revitalization projects take root in Tsukuba district

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