お知らせ

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2018.03.27

科学技術を活用し、里山活動を推進〜つくば市の五十嵐立青市長(茨城県つくば市)

科学技術を活用し、里山活動を推進〜つくば市の五十嵐立青市長(茨城県つくば市)

英字新聞であるThe Japan Timesが、日本から世界に発信していく「Satoyama」。
2018年1月よりThe Japan Timesにて連載を開始しております。(隔週の月曜日掲載)
コラム名は「satoyama consortium in focus」。
記事はThe Japan Times Onlineにもアーカイブされ、全世界に日本の里山での活動を発信しております。

URL:https://www.japantimes.co.jp/consortium/satoyama/

今回は、2018年3月12日付のThe Japan Timesに掲載したつくば市の五十嵐立青市長のインタビュー記事を紹介いたします。

科学技術を活用し、里山活動を推進

つくば市の五十嵐立青市長は市の郊外に存在する里山をさらに多様化させることを目指している。里山は将来の世代に引き継ぐ必要があるものだ。そのために五十嵐市長は、市の研究機関に蓄積されている知識と技術を最大限活用することを望んでいる。

「里山は持続可能性を体言するための大きな要素の一つだと思います」と五十嵐市長は最近ジャパンタイムズとのインタビューで強調した。「里山の価値を改めて見出す必要があり、それは地域にとって、自然の循環を作り、地域の資源をよりよい形でつなげていくために大切なことです」と語った。

東京の北東約50キロメートル、電車で45分ほどに位置し、23万人の人口を抱えるつくば市は、筑波山に代表される豊かな自然に囲まれている。茨城県の中南部にある同市と他の自治体には筑波山地域ジオパークがある。ジオパークでは、関係者が自然保護や地形・地質遺産の活用に取り組み、その地域の持続的発展に向けて活動を行なっている。

つくば市はジオパークを含めた自然環境をさらに活用するための方策を実施すべく動いており、それは住民や市への訪問者が土地の資源や地形・地質についてさらに理解を深められるようにするためだと、五十嵐市長は話した。様々な知識と技術を駆使し、つくばの自然資源を学問的、科学的に分析することが、こうしたことを達成するためのヒントやカギを生み出すことになると市長は述べた。

「つくば市には科学技術の拠点があります」と市長は語った。「つくばには約30の国の研究機関がありまして、民間まで入れるとその数は300近くになります」とも述べた。

1985年に国際科学技術博覧会を開いた同市は、日本で有数の科学技術の集積地として知られており、筑波大学、宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センター、国土地理院といった有名な機関を擁している。

「自然は人間の関わりを邪魔なものとみなしているかもしれませんが、そこに人の活動が加わり里山での活動を推進することは、自然の多様性を充実していくことにつながると思います」と五十嵐市長は話した。「生態系や里山に科学技術を持ち込むことはいまだに想定されていないように思いますが、われわれの取り組みは科学と自然の共存を目指していくものです。つくばならではのアプローチが必要だと思っています」とも語った。

すでにいくつかの計画が動き始めている。つくば市と関係団体は、女性同士の旅行が人気になっていることを踏まえ、女性を対象にした「ジオツアー」を実施したほか、二輪のセグウェイ乗車がプログラムに含まれる市内のツアーを行なっている。

さらに五十嵐市長は、研究機関や筑波山といった自然を舞台に最先端の研究や研究者と触れ合うイベントに、市内の青少年や子育て世代などが参加できるような教育プログラムの予算を、4月から始まる来年度予算において設けたと述べた。

「もしこの教育プログラムがうまくいけば、将来的には東京から生徒たちを呼び込んで、このコースに参加できるようにしたいですね」と市長は話した。「つくば市は東京からそれほど離れていませんが、訪れる人たちに心から味わってもらえる豊かな自然があります。より多くの首都圏の子どもたちに関心を持ってもらい、長期的には移住してくれる家族を増やしたいと思っています」とも述べた。

海外からの旅行者を引きつけるため、ユニークな経験をしてもらうために活用できる郊外コミュニティの資源に市は目を向けていると、五十嵐市長は語った。

「筑波山の方には、保存状態のよい伝統的な日本の家屋がたくさんあるんです」と市長は説明した。「そうした家屋の家主の支援を得て、外国の人たちが豊かな自然を楽しんだ後、そこに宿泊できるような仕組みをわれわれは作ろうとしています」とも話した。

また市長は、そうした宿泊計画案にユニークな要素を加えたいとも述べた。それはつまり、旅行で来る人たちが、つくば市の科学技術を直接体験したり、ジオツアーに参加したりといった機会を設けることだ。

最後にはなるが、五十嵐市長は市の政策面でも持続可能性ということに大変な重きを置いている。つくば市は国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を市の政策に組み込もうとしている。2015年に設定された SDGs は、幅広い社会、経済発展面の諸問題を対象とする169のターゲットから成っている。

この取り組みに合わせ、市では2月に SDGs に関するフォーラムを開催し、関連する講演やパネルディスカッションを通じて、人々がそうした考えをよく理解するための機会を提供した。このフォーラムでは、つくば市が正式に「持続可能都市」を目指すことが発表された。

「いろいろな場面を利用して、里山についての情報を発信したいと思っています」と五十嵐市長は述べた。「つくばの魅力に引かれ、さらに多くの人たちにつくばに来てもらいたいと思いますし、市民もその魅力をさらに感じてもらえればうれしいですね」とも語った。

原文はこちら(英文)
https://www.japantimes.co.jp/consortium/2018/03/11/satoyama/propelling-satoyama-via-science-technology/#.WrNLFKhl9PY

※今回ご紹介した地域であるつくば市は、本コンソーシアムの協力自治体として参画いただいております。

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