お知らせ

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2018.05.16

地方で持続可能な成長の機会を作り出す〜瀬戸内ジャムズガーデンの松島匡史氏プレゼンテーション(2018年2月13日開催、Japan Times Satoyama推進コンソーシアム キックオフフォーラム)(山口県周防大島町)

地方で持続可能な成長の機会を作り出す〜瀬戸内ジャムズガーデンの松島匡史氏プレゼンテーション(2018年2月13日開催、Japan Times Satoyama推進コンソーシアム キックオフフォーラム)(山口県周防大島町)

英字新聞であるThe Japan Timesが、日本から世界に発信していく「Satoyama」。
2018年1月よりThe Japan Timesにて連載を開始しております。(隔週の月曜日掲載)
コラム名は「satoyama consortium in focus」。
記事はThe Japan Times Onlineにもアーカイブされ、全世界に日本の里山での活動を発信しております。

URL:https://www.japantimes.co.jp/consortium/satoyama/

今回は、2018年4月30日付のThe Japan Timesに掲載したJapan Times Satoyama推進コンソーシアム キックオフフォーラムのプレゼンテーションの要約を紹介いたします。

本コンソーシアムの運営委員長であり、瀬戸内ジャムズガーデン代表取締役の松島匡史氏にプレゼンテーションを行っていただきました。

タイトル:地方で持続可能な成長の機会を作り出す

持続可能で、幸せな、そして循環型の社会を作るため、山口県の小さな島の手作りジャム製造者は自身のビジネスで地域コミュニティの中で手に入る資源をとことん活用しようとしている。

「私たちの会社は『6次産業』を島の中に作ることを目標にしています」と、周防大島町にある瀬戸内ジャムズガーデンのオーナー・松嶋匡史さんは2月に東京で行なわれたフォーラムで語った。そして、「そのために、農作物に限らず、観光、人的なものを含めた地域内の資源を活用しています」と話した。

6次産業化とは農業の1~3次産業までを統合させて、相乗的に新たな付加価値を生み出そうとする考え方で、日本で進められている。

ジャムズガーデンの業務には、商品に使う果物を育てることも含まれるが、同社は島の農家の人たちと協力することに重きを置いているとも松嶋さんは述べた。

「自社農園では地元の農家とバッティングしない作物を作っています」と松嶋さんは強調した。地元の農家から果物を買うことが、農業コミュニティ内で利益を循環させると松嶋さんは説明した。

松嶋さんによれば、地域の持続性のため、自身の会社は作物を最適な価格で購入することで、地元の農家を支援するという考えを持っているという。

「私たちは農家と一緒にやっています」と松嶋さんは話した。また、「末永く地元の農家と付き合っていく中で、持続可能な社会を目指す必要があります」とも述べた。

ジャムズガーデンは年に15万本、この地域ならではの風味を持つ180種類ほどのジャムを作っていると、松嶋さんは語った。例えば、松嶋さんの会社では収穫時期の異なるみかんを使い、ジャムの味に違いを出している。この島では県内のみかんの8割を生産している。

「私たちはこの島でしか手に入らないジャムを作ろうとしています」と松嶋さんは述べた。そして、「それらは一般的な、大量生産のジャムではありません。土質、品種、年によって味が異なるという、フランスのシャトーのワインのようなジャムを目指しています」とも。

松嶋さんは里山資本主義の実践者として、2月13日にジャパンタイムズが主催したフォーラムにスピーカーとして招かれた。里山資本主義は地方にある自然資源を活用した、持続可能な生活を目指す考え方で、従来の資本主義を補完するものだ。このイベントは1月の Japan Times Satoyama 推進コンソーシアム発足を記念したもので、コンソーシアムは関係者の里山関連活動推進を手助けする。

46歳の松嶋さんは電力会社での勤務をへて、2007年、瀬戸内海の風光明媚な島である妻の地元に引っ越し、ジャムズガーデンの通年営業を開始した。

30人の従業員を抱える松嶋さんのジャム事業は、フランスへの新婚旅行で触発されたものだった。

「2001年の新婚旅行で訪れたジャム店で、とても面白いなと思いました。ちょうどマイビジネスを始めたいと思っていたときでした」と松嶋さんは述べた。

ジャムズガーデンでは、いちじく、レモン、ブラッドオレンジ、いちごなどの果物を作っているほか、ジャム工場、店舗とカフェを運営している。

高齢化や地理的な優位性がないことといった日本の地方や離島が抱える典型的な課題があるにも関わらず、整備された交通網やインターネット利用の広まりなどの要因から、地方の農業にとってチャンスが増えていると松嶋さんはみている。

「私たちのジャムは島からでも東京には翌日に配達されます。今は皆さん普通にインターネットで物を購入しますが、それは私がジャム事業を始めた10年ほど前にはなかったことです」と松嶋さんは語った。そして、「いろいろとたくさんのニーズがお客さんの中に生まれてきています。そうしたニーズを満たすことができれば、農業の生きる道はあると思っています」と述べた。

注目されていたり、利益を上げている地方の事業には、地域の特徴や多様性に価値を見出しているものがあると、松嶋さんは指摘した。

「これまで見過ごされてきたような部門や産業に価値が見出される時代なんだと思います」と、松嶋さんは強調した。そして、「だからこそ、それらをさらに価値ある形でつないでいくことができると思います」と話した。

ジャム事業以外にも松嶋さんは、この景色のよい周防大島に移住したいという人を呼び込むための島の取り組みを支援している。例えば、移住希望者がみかん栽培を始めたいといったときに、彼らに関係者を紹介している。さらに、島民と新たに島に来た人たちの交流イベントを開催している。

「人と人のつながりは地域資源です」と、松嶋さんは述べた。

さらに松嶋さんは、若い住民に対する教育と地域の持続性に貢献できる人材育成の重要性を強調した。

※今回ご紹介した地域である周防大島町は、本コンソーシアムの協力自治体として参画いただいております。

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